マレーシアのデング熱などの高熱対策
今年にはいって、シンガポールをはじめ、マレーシア、ジョホールバルでも患者数、死亡者数が大きな上昇数を示しているデング熱(デンギ熱)。デング熱とはどのようなものなのか、その症状と治療法、また、予防対策をまとめています。
デング熱とは
Key facts―主な事実
- デング熱は、ネッタイシマカを媒体とするウイルス感染症
- デング熱感染によってインフルエンザの様な症状を引き起こし、 また重篤状態になることもある
- この数十年で、各世界へと広まっている
- 全世界人口の半数が、感染リスクがある
- デング熱は熱帯地域、準熱帯地域の主に都市部で発見される
- 重症型デング熱はアジアやラテンアメリカの国々の子供達に危険な状態や死をもたらす
- 特効薬等は未だ発見されていないが、感染の早期発見や医療機関での対応処置で、危険率を1%以下にさげることが可能
今年2013年、アメリカのフロリダ、中国での感染ケースが発覚。コスタリカにメキシコを含む南アメリカでも引き続き感染者がでている。
アジアでは、シンガポールとラオスで、その感染者数が急増している。
参照:WHOサイト
デング熱への感染経路
ネッタイシマカ - WHOサイトより |
- デングウィルスに感染したメスネッタイシマカを媒体として感染。
- 蚊は、感染してから4~10日後で、生涯の感染力をもつことになる。
また、人間が感染した場合、症状がでてから4~5日間(最大12日間)は、ネッタイシマカを通して他へ感染する媒体ともなる。
- ネッタイシマカは都市部に住み、主に人間が放置した容器等に卵をうみつける。
- ネッタイシマカは他の蚊と違い、夜明け後、日没前に吸血活動をし、メスは複数人体からの吸血が可能。
アジアに生息しているヒトスジシマカは第二のデング熱媒体蚊であり、
- 環境の変化に強く、低い気温でも生息できることから、
- 近年の国際市場での古タイヤやラッキーバンブー等を通して、ヨーロッパや北アメリカへと広がっている。
デング熱の症状
デング熱ウイルスは、幼児、小児から成人まで感染し、重症なインフルエンザのような症状をおこす感染症だが、死に至ることは少ない。デング熱の疑い
40°C/ 104°Fほどの高熱に、次の症状から二つほどあてはまるときはデング熱の可能性が高い。- 激しい頭痛
- 目の奥の痛み
- 筋肉痛、関節痛
- 吐き気
- 嘔吐
- リンパ腺の腫れ
- 発疹(熱がでてから2~3日目)
重症のデング熱
- 血小板の減少
- 浮腫み
- 呼吸困難
- 重度の出血
このような合併症の兆候は、初期症状がでてから3~7日後の体温低下(38°C/ 100°F以下)時に発生し、次のような症状をひきおこす。
- 激しい腹痛
- 嘔吐の繰り返し
- 呼吸の加速化
- 歯茎の出血
- 疲労感
- 落ち着きのなさ
- 血液の混じった嘔吐
デング熱の治療
現在、デング熱のための特定の治療薬はない。重症型デング熱では、治療効果や進行過程の知識のある医師や看護師による対処医療によって、20%といわれる死亡率を1%未満までに下げることで命を救うことが出来る。
患者の体液量を維持することが、デング熱の治療では重要。
解熱剤に関する注意事項!
デング熱が疑わしいときの解熱、頭痛薬は、マレーシアで一般的に処方されるパラセタモール(paracetamol)、アセトアミノフェン(acetaminophen)のパナドールを!
出血を催す(血小板を減らす)可能性のあるアスピリン(アセチルサリチル酸)、イブプロフェン、ロキソニン(ロキソプロフェン)等の使用は、症状を悪化させる可能性が大きいため絶対に利用しないように!
デング熱予防接種
デング熱を予防できるワクチンはまだ発見されていない。ワクチン開発での進展はあるものの、いまだ模索中。
世界保健機関(WHO)は、ワクチン研究をすすめている国々や個別パートナーへの技術的助言とガイダンスを提供。
候補ワクチンは様々な臨床試験段階にある。
デング熱発生の予防と管理
デング熱発生の予防 - WHOサイトより |
現時点で、デング熱ウイルス感染の発生を制御したり防ぐための唯一の方法は、感染媒介の蚊を撲滅すること。
- 環境管理と点検修正によって、蚊が産卵できるような生息地をつくらない
- 固形廃棄物処分を正しく行い、人工的生息地をつくらない
- 屋内の水貯蔵容器はカバーをする、空にする、清掃等を毎週行う
- 屋外貯水容器には適切な殺虫剤を散布
- 窓にはネット、長袖の服、殺虫剤、蚊取り線香や蒸発器などの各家庭での保護
- 持続的な管理を目指し、地域住民の参加と動員を向上させる
- 緊急感染症害虫対策の一つの方法として、感染流行中は殺虫剤噴霧を行う
- 感染症害虫の効果的制御対処が有効的に行えるよう、点検管理を活発に行う
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