食べるときの苦みと臭みが、チリのきいたサンバル、甘みのある海老といっしょに調理されたサンバル・ペタイ・プローンは、なんとも癖になります。
サンバル・ペタイ・プローン(Sambal Petai Prawn)
この豆の難点は、食べた後の翌日までも、バスルームでの匂い等がきついことです。
しかし、このくっさい「ペタイ」、おどろくほどの健康食品なのです。
ちなみに、このサンバル・ペタイ・プローン。
私と子供の好物料理の一つです。
納豆か、サンバルペタイプローンかと聞かれると、う~む、どちらをとるのか。
プローン(えび)でなくイカを選んだりできますが、ペタイだけのサンバル・ペタイは、わりとどこにでもあります。
ペタイそのものは、サンバルを使っての料理が一般的ですが、マレー式ブッフェで、生のままサラダとしてもでてきます。
1.ぺタイの栄養価と民間療法効果
- 中枢神経系の働きを助ける役割に重要な植物性たんぱく質やアミノ酸が豊富
- ミネラルの供給源でもあり、カルシウム、リン、カリウムに鉄分も多く含まれる
- 繊維を多く含み、ビタミンC ,EにA, B1, B2, B3も含まれていることから、もっとも栄養価の高い地元野菜のひとつ
- 糖尿病、高血圧、肝疾患や腎疾患の民間療法として効果があるといわれています
- また、驚くことに、腸内幼虫や寄生虫(worms and parasites)を排除することにも効果があるとのこと
これは、もしかして、虫をも逃げ出すような臭さのため?
1-1.抗酸化作用(アンチオクシダント、老化防止)
ぺタイには、強力な抗酸化物質が含まれることから、有害なラジカル(原子、分子)を除去し、細胞を損傷から守ります。糖尿病(diabetes)、高血圧(hypertension)、関節リウマチ(arthritis)やがん(cancer)に効果があるのも、このような病気を引き起こす細胞の酸化(老化)を防止する働きによるものとのこと。
1-2.糖尿病の血糖値、コレストロールを下げる作用
ぺタイの最も優れた作用の一つは、糖尿病の治療におけるその薬効果である思われます。Pertanian Malaysia大学の科学者は、ラットを利用した実験で、ぺタイに含まれるクロロホルム抽出物が、血中グルコースレベルを低下させることを発見しました。
この研究で、豆と鞘に含まれる2つの主要な植物ステロールが相乗的に働いて、血糖値を下げて糖尿病を抑える効果があることを見出しました。
この植物ステロールは、LDLコレストロールレベルを下げることも証明され、この作用によって、卒中(stroke)、心臓病(heart disease)のリスク低下にも役立ちます。
1-3.消化および減量を助ける
高ステロール食品のぺタイは、消化器系を健康的に維持するための自然な食物繊維を大量に含みます。食物繊維は、腸からのグルコース吸収を遅らせ、血中インシュリンレベルの急速な上昇を防ぐことから、糖尿病患者のみでなく、肥満問題を抱えた人にも効果があります。
1-4.抗がんおよび抗炎症
ぺタイの硫黄臭はアミノ酸で、このチオプロリン(thioproline)が、抗がん剤として有効であるとの臨床結果がでています。また、このチオプロリンは、生の状態では検出されず、沸騰したあとに増加しています。
また、ぺタイに含まれるCaryophylleneとLupeolの成分は、抗がん物質を有することが報告されており、Lupeolには、抗炎症、抗関節炎作用があります。
1-5.肝臓プロテクター
ぺタイは、血液の浄化と体内の解毒作用に効果があると信じられています。(私が、ペタイの効果について知っていたのは、これだけです)
1-6.抗菌および抗微生物
ぺタイの主な化合物の一つ、サイクリックポリスルフィド(Cyclic polysulphides)は刺激的な風味を与え、また、抗菌(antibacterial)および抗真菌性(antifungal)の働きがあります。ぺタイは、この作用のために、伝統的医学において、Eコリ細菌によって引き起こされる腎臓炎症、尿管、膀胱感染症の治療等に利用されています。
1-7.高血圧を下げる
ぺタイの根エキスは、民間療法で、高血圧の治療に長い間使用されています。2.サイドエフェクト(副作用)
耐え難い匂いといった副作用はさておき、ぺタイ豆は複雑な炭水化物が豊富なため、腹部膨張感やガスがたまったような感じを経験するのは珍しいことではありません。
ぺタイ豆には、マイルドな有毒成分でもある含硫アミノ酸のジエルコリ酸(djenkolic acid)が含まれています。
これが、高濃度になると、けいれん性疼痛(spasmodic pain)、痛風(gout)、尿路閉塞(urinary obstruction)および急性腎不全(acute renal failure)をも引き起こすことから、
2-1.副作用対策
このジエルコリ酸の蓄積を減らすために、大量の水を飲むことをお勧めします。
2-2.気をつけて―通風の影響を受けやすい人!腎臓病のある方!
ペタイの摂取を適度にする必要があります。尿酸値をあげて、通風をひきおこす原因であるプリン体は、ペタイでの科学的なデータはありませんが、いくつかのマメ科植物のように、中~高レベルのプリン体を含有しているとも考えられます。
ペタイには、腎臓の抗菌、抗炎症作用としての効果があるも、ペタイを含むマメ科植物*には、たんぱく質(protein)、カリウム(potassium)にリン(phosphorus)が多く含まれることから、
腎臓病患者のペタイ摂取には制限が必要です。
リソース: www.theborneopost.com/2013/09/22/potent-petai/#ixzz32qF4lkiz
3.すべての地に、独特の治癒力のある食べ物が!
地元の食材であるペタイの健康への利点を考えると、どの地域へいっても、必ず、自然の中から健康に役立つものがみつかるのものではないかと思ってしまいます。また、私自身は、病気や怪我等で薬に頼るよりは、自然からのものや民間療法に頼りたいものの、悪化して、もしくは、病気などで手術等を受けたとなると、やはり薬に頼るしかないのかとも思います。
こういった、本来であれば、腎臓によい、心臓によいともいわれる自然食品が、術後や薬物治療開始後に、反対の結果を出してしまう可能性が大いにあるということも身近な人達の経験を通して思い知ることもありました。
*腎臓に通常よいといわれるマメ科植物大豆からの食品である豆腐であったり納豆。これらも、腎臓摘出等の手術を受けた人では、本来であれば問題のないカリウムの排出が困難となるため制限が必要となってきます。
心臓なんかも同じようなもので、投薬の内容によっては、体によいとされる納豆、ブロッコリーに葉物野菜などが「食べてはいけないもの」となったりと、健康によいはずの食材などが天敵となったりすることがあるのです。
ペタイの効果を読んでいると、毎日でも食べたくなりますが、これも「適度」にとるのが一番いいのでしょうね。
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