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2015-07-23

麻薬密輸とコーズウェイの渋滞、ジョホールバルでの事件が増えているわけ?

去年のコーズウェイチェックポイントでの度重なる逮捕劇には、ずいぶんと驚かされました。また、シンガポールでの入国審査チェックの厳格化で、これまでにないほどの渋滞にも困りました。

その後も、まだまだドラッグ関連事件は続き、ジョホール州のドラッグ常習者数の多さにも改めて驚き、犯罪の質にも変化がでているように思えます。

ジョホールで国際的麻薬シンジゲート密輸現場の取り押さえ

去年11月、マレーシアのいくつかの州で、1週間に600万リンギ以上に値する麻薬押収騒動がおこった。

中でも、ジョホールバルでの520万リンギ相当の麻薬押収捜査は、マレーシア警察麻薬当局とシンガポール中央麻薬当局(CNB)の情報共有に続いて二日間に渡って行われたもの。

この大掛かりな麻薬取締捜査は、ジョホール麻薬犯罪捜査部が、麻薬特殊戦術情報部隊(STING - Special Tactical Intelligence Narcotics Group)の協力を得て行われた、ジョホールバル麻薬密輸シンジゲートへの踏込み捜査による逮捕が発端となった。

逮捕されたマレーシア人2名、シンガポール人1名の供述から、ヌサジャヤ地区、ゲランパタのタンジュン・ポート(PTP)での国際的シンジケート麻薬(ドラッグ)密輸現場取り押さえをはじめ、ジョホール州の数箇所での麻薬押収となった。

今年もシンガポールとジョホールバルの麻薬取締体制強化

今年2月、シンガポールの中央麻薬局(CNB - Central Narcotics Bureau)とジョホールバルのロイヤル・マレーシア警察(RMP - Royal Malaysian Police)麻薬犯罪捜査部(NCID - Narcotics Crime Investigation Department)は、改めて協力体制を強化。

2年前より捜査が続けられていた、シンガポールの麻薬シンジケート・リーダーがジョホールバルで逮捕されて以来、ますます、ジョホールバルとシンガポールの麻薬関連事件が表面化してきています。

この2月以降、シンガポールとジョホールのドラッグがらみの事件、逮捕劇が相次いでおり、昨日も、またのコーズウェイ・チェックポイントでの麻薬密輸被疑者が逮捕される事件が発生。

シンガポールとマレーシアの協力体制、確かに効果はでているようです。

チェックポイントでの主な逮捕劇リスト(2015年7月現在)

写真・以下逮捕劇リスト記事:ChannelNewsAsia.com
  • 7月22日、5.50am:ウッドランズ・チェックポイントで900gのカナビス密輸者を逮捕。
    シンガポールの入国管理局(ICA - Immigration and Checkpoints Authority)は、入国チェックの際、パンツの中に900gのカナビスを隠していた20歳のマレーシア人男性を逮捕。中央麻薬捜査局(CNB)によると、これはS$29,000程に値し、1週間に128名の麻薬中毒者が利用できる量であるとのこと。
  • 6月29日、30日:ウッドランズ・チェックポイントで入国審査の際、オフィサーへの応答がなかったマレーシア人男性、女性が、月曜、火曜日と立て続けに逮捕されるという騒動が。メンタルヘルス協会にて2週間の検査後、法廷へ。
  • 6月23日、6.45pm:ウッドランズ・チェックポイントで1.9kg(S$62,000)のカナビス密輸容疑でマレーシア人2名を逮捕。
    シンガポールの入国管理局(ICA)は、バイクでの入国チェックの際、二人の男性の背中、股部分に、カナビスとおもわれる物質を4つの袋にわけてまきつけてあるのを発見。中央麻薬捜査局(CNB)へ引き渡し、S$62,000相当のカナビス密輸容疑で逮捕。
  • 6月22日、10.20pm:チュアス・チェックポイントでS$39,000以上に値するカナビス、アイス密輸容疑でマレーシア人2名を逮捕。
    中央麻薬捜査局(CNB)は、チュアス(セカンドリンク)チェックポイントにて、中央麻薬捜査局と警察による合同チェックが行われている際、マレーシア人二人が乗車のバイクのシート内に隠されたカナビス980g、アイス37gを発見。19歳、21歳のマレーシア人男性は麻薬密輸容疑で逮捕されています。
  • 6月12日、1.20am:ウッドランズ・チェックポイントでS$129,000以上に値する麻薬密輸容疑で2名を逮捕。
    シンガポールの入国管理局(ICA)は、シンガポール登録のタクシー内助手席シート下に貼り付けられた7つの袋から合計1.4kgの麻薬を発見。
    中央麻薬捜査局(CNB)と入国管理局(ICA)の合同記者会見にて、ヘロイン(1.4kg)、アイス(149g)、エクスタシー(140錠)、エリミン(5個)からなる総額S$129,000以上のドラッグ密輸容疑で、52歳のシンガポール人タクシー運転手、37歳マレーシア人女性を逮捕、調査中であることを発表。
写真:ChannelNewsAsia.com

ジョホール州麻薬犯罪捜査による逮捕者数

写真:The Rakyat Post
5月のニューストレイツタイムにて、今年1月から5月15日迄、ジョホール州警察は、1.8万リンギ相当の薬物を押収、麻薬シンジゲートに関わると思われる7,103名、また、4,787名の麻薬中毒者(薬物依存症者)を逮捕、という記事があり仰天しました。

4ヵ月半で5000人近くの依存症者、そして麻薬ギャング員が7000人以上を逮捕。

350万ほどのジョホール州の人口に対して、これはすごくありませんか。

もう、これで一掃かと思ったニュースでしたが、ドラッグ関連での逮捕劇がいまだに続いています。

スティング部隊による麻薬捜査は、今年も続く

そして、7月3日金曜日、ジョホール州警察は、マレーシアで去年設置された麻薬特殊戦術情報部隊(STING)、組織犯罪特殊部隊(STAFOC)を含む180名の警察職員にて、特別踏込捜索を決行。

この捜索は、ジョホールバル・セラタンジョホールバル・ウタラセリアラムヌサジャヤクライジャヤの、主に、遊戯場、カラオケセンター、低予算ホテルにパブを含めた80箇所で行われ、249名を連行、そのうち149名を拘留。

この中には、6月のパブでのギャング団によるものおもわれる2人の射殺事件関連者とおもわれるもの、また、警察の逮捕者リストの人物も含まれていたようです。

こうやって、ギャング団の一掃で、ジョホールはきれいな街になるのでしょうか?

ジョホールバル、シンガポールの麻薬関連者、窃盗事件の増加

写真:The Star Online

普通の中高生がドラッグ常習者なのか?

ジョホールバルでは、シンガポールのように一部的な優待遇子女のみではなく、一般的な子供たちが(中高生含む)ドラッグをやっているという話を、マレーシアで生活を始めた当初から耳にします。

地元の大人だけではなく子供たちでさえ、ジョホールバルではドラッグをやっている子たちが多いから気をつけるようにと、いってくるほどです。

地元の人達のいうことを聞いたほうがよいと思う点
知り合いの中で、実際にそういう子達を見かけたことがないので、どうなのだろうと思うことはあります。
ただ、そうやって注意してくれる知人達は、自分の子供達の送迎を17~19歳頃までも行っている地元の家庭の人達。
中には15~16歳でも友人達との外出もままならない、という厳格な家庭もあるほど。 
確かに、そんな普通の子供達からも、直接、ドラッグに手を出している生徒達という話がでることから、とにかく、自分の子供は自分で守るという意識は持っておくべきだなと思います。
私が常に意識してきたのは、子供達が小さいころから、友人達を気軽に呼べる家庭づくりでした。
今振り返ってみると、友達とどんな風に遊んでいるのかを自然とみることができたのは、とてもラッキーだったように思います。 
また、このところ、警察が伝えているように、もしかしたら犯罪数そのものは減っているのかもしれないけれど、ずいぶんと乱暴な犯罪が多くなってきているように感じるというのが、地元に住んでいる人たちの多くの意見です。

また、つい先日の警察発表から、泥棒犯罪の約70%は無職のドラッグ中毒者によるもの、というのも、ジョホールでおこった犯罪映像等から、その若年化、覆面をすることもなく商店になぐりこんでいくグループをみていると、うなずけるところがおおきいです。

開発・発展の裏側

ここ数年の土地家屋転売で懐がうるおっている人達が驚くほどでてきたかと思う一方、別の意味で驚くような話も。

州のパーム畑で働くことで家も与えられ生計をたていた人達の中には、開発のために、おどろくほどの小額保証金で家と仕事を無くした人たちが多くいるとのこと。

新しいアパートでは、仕事もないのに家賃を払うこととなり、また、保証金を贅沢品に使ってしまったりと、1~2年ですべてをなくした人達もいるようです。

こんな人たちがいるという話をきいたのは、すでに数年前。

その間、ダンガベイの埋め立てで魚を取る人たちも消えていきました。

パーム畑のみでなく、フィッシング・カンポンで、また、ストレイツ沿いで魚をとることで生計をたててきた人たち

子供達の学校費用は無料にしても、仕事に家をなくした家庭では、どんどんと開発がすすむ中、生活とともに気持ちも以前のように穏やかではないだろうなと思います。

もともと、田舎、カンポンって、家もまわりも古いけれど、なんだか汚いっていう人たちはいるけれど、子供達も大人達も、なんだか楽しそうに暮らしていたところ。

すっかり笑顔がでなくなることがスラム化なのかもしれません。

土地を立ち退かなければならなかった人たち、開発の影響でこれまでの生活の糧をなくすことになった人たちへの、もうすこしの配慮があったなら、犯罪組織にはいらなくてもよかった子供達に大人がいるのではないかと、ジョホールバルの一昔前の様子を浮かべながら、ちょっとセンチメンタルになってしまいます。

開発には賛成!でも…

開発そのものにはまったく反対するところなし。
街がきれいになることには大賛成。

これから、ジョホールバルがどういうふうになっていくのか。

街づくりをしている人たちの真摯な態度が表に出てくるか、
つっぱった欲の皮だけがのこっちゃうのか。

上の廃屋写真は、スクダイの以前からの住宅地のもので、隣家住民から、ドラッグ中毒者、窃盗集団が住んでいるようだと警察へ通報。

近隣では泥棒にはいられたりとの問題はいまだ解決していないようですが、スクダイのアセンブリーマン(地元州議員)が各家をおとずれ対策をたてられているようです。

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