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2015-07-21

ワンマレーシア汚職疑惑とネット規制への海外の反応

6月12日、日曜日の深夜から月曜日早朝にかけて、ブキッ・ビンタン(Bukit Bintang)のロウヤットプラザ(Low Yat Plaza)で暴徒騒動(mob attack)が発生

ナジブ首相は、この暴徒の発端となったとおもわれているソーシャルメディア乱用、また、触発されての調和破壊行為防御策として、内務省、マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)に対して、次の2点を主に要求。

  • オンラインモニター(監視)の徹底化
  • 関連者への治安諸法(Sedition Acts)適用
この会見では、次のような非常に説得力のある発言がありました。
  • 暴徒心理にまどわされないこと
  • 何か問題が発生した際、事実を確認することなく盲目的に従い、感情的になる傾向がある
  • ソーシャルメディアを誤った情報を広めるために悪用しない。また、扇動的な記事、画像、動画をひろめることで、無責任な罠に陥らないよう

ネット規制は暴徒騒動が原因?

暴動発生翌日火曜日、マレーシアのブロガーとして知られるパパゴモを、当該事件とは無関係の写真を扇動目的で使用した容疑で逮捕。(The Star Online記事

水曜日には、与党第一党統一マレー国民組織(UMNO)バガン地区党首ダトゥック・ドクター・シャイク・フセイン・マイディンが、誤った情報を公開した疑いで保留されるも、翌日には保釈。

翌日の逮捕者18名から、水曜日には25名が逮捕されることに。

また、上記2名と、アリ・ティンジュとして知られる与党第一党統一マレー国民組織(UMNO)活動家モハマド・アリ・バァロン(暴動をおこしたマレー青年たちの擁護発言から)の3名が、治安諸法(Sedition Acts)の罪をとわれています。


この騒動もすぐに落ち着いたようにみえた(もちろん、警察の方々はいまだに大変な捜査中ですが)ハリラヤホリディ。

つい先日、シンガポールのラジオをきいている際、フォスター・ザ・ピープルのある歌、いくつかの言葉がセンサーされ、消去編集されていたのに気づき、そういえば、シンガポールでは、いろいろな規制があるよね。

マレーシアは映画でぼかしがはいったり、ののしり言葉をピーッと消すぐらいかな、なんておもっていた矢先。

オンライン監視の徹底指令から1週間未満の日曜日。

イギリスが拠点の不正疑惑摘発ウェブサイトをブロック

The Star Onlineより

クレア・リュウカスル・ブラウンが設立者で、ロンドンに拠点をおくサラワク・レポート。ウォールストリート・ジャーナル同様、ナジブ首相、資金、ワンマレーシア・デベロップメント・ベルハド間のセンセーショナルな賄賂、財務不正疑惑をシリーズで報じています。

theguardian.com

元英国首相ゴールド・ブラウンの弟を夫とするリュウカスル・ブラウンは、2010年にサラワク・レポートを構築。マレーシアのサラワク州を含むボルネオでの森林伐採問題、賄賂と腐敗に焦点をあてている模様。
ボルネオでの森林伐採(しすぎ)、汚職(しすぎ)問題は、すでに30年以上の歴史があり、木がなくなってオランウタンの場所がなくなってきているのは...

以下の記事::The Guardian


昨日19日、日曜日の午後、マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は、投資資金がナジブ首相の個人口座へ流れたものとの内部摘発を続けている英国人ジャーナリスト運営のウェブサイトをブロック。

このウェブサイト阻止は、サラワク・レポートが、一体どうやって大きな負債を抱えたワンマレーシアDBが、ナジブ首相の個人銀行口座へUS$700万(7億USドル?)を送金することになったのか、という内部密告公開後の2週間目に行われました。

ウォールストリートジャーナルでも公式文書を引用し、同様のストーリーを報告。

ナジブ首相は、辞任の意思をかざして、個人的なお金の受け取りを全面拒否。

マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)では、日曜日おそくに、「未確認の内容」であることを理由に、そのサイトをブロックしたことを認めています。

このような記事は、不安をかもしだし、国の安定、公共秩序や経済を脅かす可能性があるためだと伝えています。

このサイトは、ワンマレーシアDBの公式調査が完了するまでブロックされるとのこと。

しかしながら、これは、マレーシア国内だけで、国外からのアクセスは可能なようです。

この決定を受け、2013年にマレーシアへの入国を拒否された経験のあるリュウカスル・ブラウンは、1957年にイギリスから独立以来、長い間、優勢国民連合によって支配されてきたマレーシアの汚職問題を暴露したサラワク・レポートを、「検閲、否定するのは露骨である」と語っています。

マレーシアのインターネット制限保障に違反していないか?という海外の反応

今回のサイトのブロックによって、マレーシアでは、政府はンターネットを検閲しない約束であったはずだと非難が巻き起こっています。

マレーシアは、1990年代に、「マルチメディア・スーパー・コリドー」構築の際、外国人投資家を引き付けるための案として、シリコンバレーの質問に対し、インターネットの制限をしないと保障しています。

「ユーザーの投稿、読み取る選択肢を制限することは、表現の自由と情報を知る権利を厳格に制御することになる」と、アムネスティ・インターナショナルマレーシアエグゼクティブディレクターのシャミニ・ダーシュニは述べています。

マレーシアでは、依然にも、インターネット制御が行われ、ナジブ首相に対する疑惑が、ソーシャルネットワーキングサイトを介してパロディ化、また、偽ニュースとして拡散することは牢獄行きであるとのお達しがありました

ペナンもジョホールも疑惑への声明

マレーシアでは、すでに、去年から煙がたちはじめていたワン・マレーシア・デベロップメントのスキャンダル問題。(詳細はフリー・マレーシア・トゥディ英文記事マレーシア・ダイジェスト英文記事

ペナン、ジョホール、ペタリングジャヤでは、野党地区リーダーからの質問がでていましたが、これが大きなニュースになってきたのは、ジョホール州皇太子の発言から。

ジョホール州皇太子の反応

6月5日、クアラルンプールにて行われる予定であったナジブ首相の市民集会がキャンセルになったことに対するものでした。

  1. 皇太子:「物事を隠しつつ対話ができるであろうか?やはり、現れなかった」と批判。
  2. それに反応して、観光文化大臣ダトゥック・セリ・モハメド・ナズリ・アジズより、皇太子に対して、政治的発言を控えるようにとの苦言
  3. 皇太子:それに応えるかのように、ジョホール・サッカークラブのサイトにてビデオ発信。
    • 無言で手招きをする姿は、もちろん批判の声もあがりましたが、ジョホールのみでなく他州からも大歓声。

これに対し、ナジブ首相に批判的なマハティール元首相は、「誰でも自由に話す権利があり、当然、皇太子にもある」と擁護の姿勢

なお、与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)首脳らは、この問答に関しては沈黙を守っていましたが、疑惑スキャンダルに関しては、ナジブ首相を全面的にバックアップするという意見がニュース記事にはでています。

マスコミ上での度重なるやり返しがあり、最終的には、ジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル・スルタン・イブラヒム(トゥンク・マコタ、TMJ)より、彼と観光文化大臣ダトゥック・セリ・モハメド・ナズリ・アジズ間でパブリック・スパッツ(公共での唾の吐きあい)を停止するとして、メディアに呼びかけました。

「あなた方がショーを楽しんでいることはわかっているものの、もう十分、GUYS」と、フェースブック上に発表。

TMJとしてしられる皇太子は、これからも、ジョホール民にとっての最善な利益のために話し続けることを伝えています。

メディアでは、彼とナズリ・アジスにキックボクシングの試合を設定し、慈善団体に寄付するべきだ、と軽い調子で冗談が伝えられていました。

これにて、この二人の闘争はおさまり、この後、こういった騒動とは無関係だとおもうのですが、ジョホール州皇太子は、サウザンターガー・フットボール・クラブのプレジデントを辞退しています。(これまでどおり、資金面も含めて全面的なサポートは続けていくとのこと)


この問題は、じっくりと見届けましょう。

さて、ウォールストリート・ジャーナルにラワク・ジャーナルで報道された内部告発。

内部告発はいったいどこから?

その情報どころはスイス人で、現在、元雇用主へのブラックメール問題でタイで逮捕されています。

これは、また次の記事にて。

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