ジョホールバルのパインウッドスタジオ
イギリスで、ジェームズ・ボンドシリーズ、ハリー・ポッター、ホビット等を手がけている制作スタジオのパインウッドが、去年2013年、ジョホールバルの西側ヌサジャヤ地域に出来上がりました。
完成後は、東南アジアで最大のスタジオ施設になるなどとの鳴り物入りであったものの、まだまだ完成までに何年かかるかといった工事中だらけの開発地帯にあることもあってか、はたまた、ハリウッドではなく、イギリスのスタジオ性質ということもあるのか、なんだかひっそりとしていました。
マレーシア映画振興公社(National Film Development Corporation Malayisa - FINAS)にて、国内のみではなく国際映画制作会社の、マレーシアでの映画制作にかかる費用の3割を払い戻すというプログラムが、去年発表されたこともあってか、これから、このパインウッドスタジオでの海外映画、テレビシリーズの撮影がどんどんと増えていくのかもしれません。
日本のイマジカ(IMAGICA)もパインウッドスタジオへ進出
今年に入って、日本の映画やテレビ番組の映像編集、ポストプロダクションの大手、IMAGICA(イマジカ)の海外初の事業拠点が、ここ、ジョホールバルのパインウッドスタジオにも出来ました。
イマジカへの密かなおもいで
思い起こすこと、う~む、なんと20年以上も前のおはなし。
自主製作映画のテスト作品にフランスの短編映画祭へ出品した作品のフィルム現像にビデオへの変換等でお世話になったのがイマジカ。
IMAGICAなんてネーミングも、フィルム缶を入れてもらう袋なんかも、ひじょうにお洒落で好きだったのですが、なんせ大手企業。個人では、とにかくお値段が高かった。
その頃、マックを利用してつくった個人名刺は、おもいっきりこのIMAGICAの色合いを使わせていただきました。 :p
その後、紹介された東京現像所では、担当者の方にきめ細かく作業をやっていただいたのを思い出します。
考えてみると、各国の映画祭で高評を得た3作目と、フランス映画祭の1,400人劇場でブーイングをあびた前作では、現像担当者としてもテスト上映をやりながらの焼直しなど、思い入れも違ったのかもしれません。
東京現像所の担当者の方には作品そのものをほめられたことまで覚えています。イマジカの現像担当の方は、何度もみなければいけない作品、きっと面白くなかったのでしょう。失礼いたしました。
なんだかんだと思い出話になってしまいましたが、本日、鳴り物入りではあるものの、いまだひっそりとした感じのパインウッドスタジオへいってまいりました。
アメリカのドラマシリーズ「マルコ·ポーロ」
アメリカのワインスタインカンパニー(Weinstein Company)は、ネットフリックス(Netflix)のテレビシリーズの一環として、有名な冒険家マルコ・ポーロにまつわるストーリーを、マレーシアのジョホールバルで撮影します。
マルコ・ポーロというと、「東方見聞録」とともに歴史の授業にでてきました。
ヴェネチアの商人であった父親と伯父らと共に20数年の旅にでた17歳のマルコ・ポーロ。
中国で長い年月を過ごし、モンゴルの支配者、クビライ・カーンと外交関係を形成。
ワインスタインカンパニーは、ジョホールバルのパインウッドスタジオで、9エピソードシリーズを撮影することとしています。
エグゼクティブプロデューサー兼クリエーターとしてJohn Fuscoに依頼。このシリーズのスクリプトライターチームの中には、テレビシリーズでヒットした「Sons of Anarchy and Law & Order」の脚本家も含まれているようです。
シリーズの第一番目シーズンはすでに書きあがっていて、オスカーノミネートの「Kon-Tiki」を手がけたJoachim RonningとEspen Sandbergによる監督となります。
また、「ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)」の監督、Daniel Minahanも数エピソードを手がける予定となっているようです。
そして、
「マルコ·ポーロ」出演者
マルコ・ポーロの役は、2010年、最年少でイタリアのトップの演劇学校CSCに入学し、同年のブリュッセル国際映画祭、また、カリフォルニアの3つの映画祭で主演男優賞を獲得した、これからの期待が大きなLorenzo Richelmyが選ばれています。
Lorenzo Richelmy |
他の主な共演者:Benedict Wong (Prometheus), Zhu Zhu (Cloud Atlas), Tom Wu (Skyfall), Remy Hii (Treading Water) and Rick Yune (Olympus Has Fallen)などとなっています。
このシリーズは、イタリア、カザフスタンにマレーシアのパインウッドスタジオで撮影が行われます。
このマルコ・ポーロの撮影開始までには、長い道のりがあったようです。このドラマは、当初、2012年にStartzケーブル用のドラマシリーズとして考えられていたようですが、その後、ワインスタインにもどり、当初の計画であった中国での撮影が難航したという経歴がありました。
また、先の3月に行方不明となったMH370機には、この撮影に加わることとなっていたスタントマンのJu Kunと、コリオグラファーのBrett Chanが搭乗されていました。
「The Forbidden Kingdom」や「Fearless」等の映画や、カンフースターJet Liのスタントダブルで知られるJu Kunは、このマルコ・ポーロの撮影準備で、2月よりジョホールバルに滞在してました。
撮影前に、北京の5歳と1歳の息子たちを訪れ、また、撮影に必要な素材収集が目的の短期旅行の予定でした。
「マルコ·ポーロ」エキストラ、いまも募集中
すでに来週から撮影がはじまるマルコ・ポーロ。
しかし、8,000人が必要といわれるエキストラ、いまでも募集中なのです。
今年1月、このオーディションへ行くようすすめられ子供たちを連れて行き、合格なんて通知が届きながらも、最終的にモンゴリアン、中国人にみえないるらということで「おとされ」ました。
では、どうして、すたこらと撮影所なんかに行ったのかといいますと、エキストラとして選ばれた別の女の子の衣装合わせについていっただけなのです。
まわりにな~んにもないスタジオに、ようやくたどりつき、しっかりとしたセキュリティをぬけて衣装合わせの場所へ。
確かに、チャイニーズ、アジア顔のエキストラが、かなりしっかりとした重めの衣装合わせをしているところで待っていると、
おや、あの奥にどっかりと座っている男の子。
子供たちの学校の先輩卒業生ではありませんか。
彼も私たちのことに気づき、すぐさまやってきてくれました。
学校卒業後、イギリス、ロンドンのフィルムカレッジで映画制作の勉強をしており、この制作に呼ばれたとのこと。
いろいろな話を交わしていると、アジア人にみえない子供たちも大丈夫、大丈夫。衣装をつけてメーキャップするし、ってことで、再度、エントリーをすることに。
また、写真をとったり衣装までつけたりして、時間はかかったけどとても面白い日でした。
ちなみに、私もエキストラで参加するようすすめられたのですが、ふっと前髪をかきあげ、a leading role(主役)なんていわないけど、supporting role(準主役)的な役柄があったら連絡をちょうだい、と伝えました。
エキストラ募集内容
日時: 5月3、4日、2時~6時
場所: ヌサジャヤのEducity Sports Complex(International Student Village, Persiaran Sarjana, Kota llmu, Educity@Iskandar, Nusajaya, Johor)
電話:019 779 6891
- アンケートに答えて、写真をとり体のサイズを測る
- 身分証明書(パスポート)をお忘れなく
撮影に関する規約書:
- 撮影日の拘束時間は14時間に及ぶこともある
- スタジオ構内では写真をとらない、また、iPadをはじめタブレット等の持込禁止
- 撮影所内への電話持込禁止(車内に残す)
- 撮影期間中は、髪型、色をかえない
- 以上を加えた細かい規約が33項目ほどあり、その書類に同意の上サイン
撮影日の注意事項:
- 撮影所へくる際は着替えの簡単な単純な服装でくること
- 女性は、ベージュ系のチューブ系下着にショーツに靴下にスリッパ
- 男性は、シングレットかTシャツ、ボクサー、ショーツに靴下にスリッパ
- 子供はパジャマと靴下にスリッパ、なんてちょっと面白いです
撮影所に入るまで、撮影を待つ間、撮影が終わってからの決め事もしっかりしています。
日本の東宝撮影所で、しばらく、ある監督の撮影の手伝いをさせてもらったことがあるのですが、東宝撮影所に入るのも、役者さん達と同じ場所にいるのも、たいした規制がなかったような記憶があるのです。
ただ、あの頃は、携帯電話でさえもそんなに重要ではなかったし、ましてや、タブレットもスマートフォンもなく、誰かが公開前のシーンをビデオや写真で公開するかもしれない、なんて誰も考える術もなかった。
撮影に加わる際は、待ち時間が多いので、本、ゲームボードなどを持ち込んでもよいとしてあります。ただし、何を持ち込むにしても、セーフティ等がないので、価値のあるものは持ち込まないように、との注意書きもあります。
1日の撮影日参加で、RM100が支払われます。
子供たちにとっては、これはかなりうれしいようです。
ただ、実際に撮影が始まると、自分の撮影時間がくるまでじっと待つことが、どれだけ大変かわかってくることでしょう。
また、たくさんの本を読む機会が増えそうです。
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