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2014-07-14

デング熱ワクチン開発への期待と課題

科学者たちは、大規模な臨床試験で成果がみられるデング熱への世界初のワクチンが開発されたと伝えています。

イギリスの医学雑誌ランセット(The Lancet)での研究発表によると、ワクチン接種(CYD-TDV)の臨床検査で、50%以上の子供たちのデング熱予防に効果があったとのこと。

BBC News - bbc.com

これを受けて、専門家は、待望の研究結果は有望ではあるものの、より効果の高い結果を出すのが極めて重要であると指摘。

年間百万人以上の人々に影響を与える病気 - デング熱の予防、治療法は、これまでは発見されていません。

また、現代では、世界の人口の半分が、蚊を媒体とするウィルスに冒される危険にあるといいます。

これまでのベスト - 'Best so far'

デング熱への危惧が70%以上を占めるアジアの5カ国で、広範囲に及ぶ第三試験が行われました。

この研究では、2〜14歳の健康な子供達10,275人を対象とし、任意に6,851名にCYD-TDVワクチンを、また、3,424名にプラセボ(偽薬)を年間3回投与後、1年後に再投与し最大2年間をかけて臨床検査を行いました。

この2年間の研究から、56.5%の予防効果があることを証明しています。

主執筆者であるフィリピン亜熱帯医学研究所(Research Institute for Tropical Medicine in the Philippines)のDr Maria Rosario Capedingは、

このデング熱の臨床検査結果は、公衆衛生健康面で大きな課題をもつアジアの国々にとって、多大なる影響を与える可能性があり、

中程度といわれるものの、56%の感染率削減は、この病気に悩まされる国にとっては、大きなメリットである、とBBCに語っています。

複雑な生物学 - 'Complex biology'

この研究に関わっていない、ロンドン・スクール衛生局部医薬部のマーティン・ヒバード教授は、この研究結果を受け、次のように述べています。

デング熱の生物学は複雑であり、何年もの間、研究者を悩ましています。

彼らが、この開発に取り組んでいることを非常にうれしく思いますが、そのワクチンの有効性が56%であるということは、非常に残念です。

この数値は、我々の通常の目標値よりも、はるかに低いものです。

しかしながら、この結果は、これまでの最も重要な減少数値でもあります。

- the best we have so far. -

また、多くの国々が、この病気の蔓延を防ぐために巨額な資金を費やしています。

このワクチンの臨床試験を受けた人々は、

それが効果的でかつ安全であることを確実にするために、

少なくとも5年間は監視される必要があることを示唆しています。

この研究調査費用を提供しているフランスの薬剤企業Sanofi-Pasteurは、ラテンアメリカとカリブ海地域全体で行われている第二回目の臨床結果が分析された後、このワクチンの承認を申請する予定です。
BBC Newsより

マレーシアでのデング熱ワクチンの取り扱い

マレーシアの各誌では、80%以上の成功率との表示があり、

  • マレーシアを含めたアジア5カ国での臨床結果に引き続き、
  • 南アメリカ地域でのこれからの臨床結果を待って、
  • 2年後の2016年に、ワクチン利用の可能性を示唆

マレーシアのウィルス学者名誉教授ダトゥク・ドクター・ラム・サイ・キットによると、このワクチンで、重症デング熱の発生率を三分の二に減らすだけではなく、死亡の危険性を減らすことから、入院医療費の削減につながる可能性を述べています。

マラヤ大学医療センターでのアメリカのブランダイス大学と連携してのデング熱感染での医療コスト研究調査から、年間US102百万ドル(RM325百万)、一人当たりUS3.72ドル(RM11.85)の経済的負担となっているとのこと。

また、デング熱コントロールにかかる国民一人当たりのコストは、USD1.70(RM5.42)となっているようです。
Bernama

また、ドクター・リムは、ランセット誌で強調してある、ワクチン1回投与の有効性と、その予防接種費用削減の可能性について、

  • 今回の臨床試験が実施されたアジアの5カ国の子供達は、すでにデング熱感染の抗体を持っている可能性も大きく関与してとし、
  • 臨床結果に一貫性があることを確認する必要があると述べています。

例えば、デング熱感染抗体を持たないであろうイギリス観光客が、マレーシアへ渡航する前に、デング熱の予防接種を受けた際の予防効果は低い可能性もあることから、その臨床試験の必要もあると伝えています。

また、重症デング熱感染リスクは、若年層、中高校生の間で高いことから、中高校生への学校での予防接種をすすめています。

今年、7月のこれまでに46,681件のデング熱感染者と87名の死亡者がでているマレーシア。

ドクター・リムは、あらゆる規制措置にも関わらず、この40年間で、30倍にも増加しているデング熱へのワクチン開発は、大きな希望であると語っています。

80%以上の成功率とは?

ランセル誌での研究発表では、一般的に4種類といわれるデング熱の中で

(去年、マレーシアでは第五番目のデング熱発見のニュースもありました)、

このワクチンは、

  • DENV 3と4:75%以上の予防率、
  • DENV 150%となっているものの、
  • DENV 235%と低い予防率となっており、

その平均から56%の予防率という結果がでているのだと思います。

これどうなのよ?素人意見

しかも、出血性ショック症候群(出血性デング熱)をひきおこす可能性が高く、最も危険であるといわれる第2型ウィルス感染への予防率が35%というのは、

医学には、まったく素人の一母親からすると、あえて、危険性の少ないウィルスへの予防率80%以上という数値だけではあまり納得がいきません。

マレーシアでの予防接種について

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