モントキアラ外国人少年誘拐事件-2012年
モントキアラ・インターナショナルスクールへ、徒歩で通学していたナヤティ少年が、校門前、他生徒や先生達の目前で拉致誘拐された事件は、まだまだ記憶に新しいのではないでしょうか。事件当時、警察と家族からは、身代金要求のあったことが公表されていなかったため、人身売買ですでに国外に連れ去られているのではないかと騒がれ、また、オランダ、イギリスをはじめ、国際的にも不安を巻き起こしたマレーシアでの外国人子女誘拐事件でした。
身代金の支払い後、誘拐から1週間後に開放されたナヤティ君の元気な姿は、マレーシア在住の外国人のみならず、マレーシア人にも安堵をもたらしました。
ナヤティ君が解放された5月3日から1週間以内に、犯人たちの逮捕。この事件の裁判はひきのばしになっていたものの、この10月に行われるようです。<www.thestar.com.my/News/Nation/2013/05/14/Nayati-kidnap-trial-postponed-after-fresh-developments.aspx>
モントキアラ誘拐未遂事件-2013年
日本大使館からのメールマガジンによると、この同じ地区で、9月25日早朝、子供達を学校へ送る母親の運転する車が、コンドミニアムのゲートを通過したところで犯人集団に襲われたものの、皆の抵抗で未遂となったようです。去年4月の海外駐在員子弟、ナヤティ君誘拐事件は、マレーシアだけでなく国外でも連日報道されましたが、全国紙で報道されることのない、マレーシアでの誘拐事件数は、おどろくほど多いようです。
マレーシアの誘拐事件数
昨年12月の記事によると、2010年からの2年間で、
80件の身代金目的誘拐事件が発生、
59件が解決。
1ヶ月に3~4件の誘拐事件
がおこっていることになります。
- Read more: Most kidnap cases resolved, says Bakri - Latest - New Straits Times - nst.com.my/latest/most-kidnap-cases-resolved-says-bakri-1.88603#ixzz2g0Wn1DDK
誘拐身代金か人身売買か
マレーシアで、大人も含めて頻繁におこっている誘拐の身代金は1,000~5,000RM(約3万円~15万円)、という金額を新聞記事で目にしますが、去年のナヤティ少年の身代金は、交渉後に300,000 RM(約900万円)。マレーシアは、他東南アジア近隣国と同じように、身代金目当てではなく、人身売買かといわれる国外へ連れ去られるケースも多いとのこと。
ナヤティ君のケースは人身売買だとおもわれていた
ナヤティ君発見までは、ほとんどの人が身代金を払っても戻ってくることはないだろうと受け止めていた状況でした。マレーシアで外国人として子育てをする我が家、そして友人知人たちのほとんどが、絶望的な気分ですごした1週間でした。
- 特別に遅い時間に人のいない路地を歩いていたわけでもなく、
- 学校の門の前、生徒や先生達がいるところで、
- 幼稚園生でもなく中学生の男の子を誘拐
いったい、どうやって身を守る対策などたてられるのかとまで考えさせられる事件でした。
また、ほぼ同じ年齢の子供達がいることにあわせて、ナヤティ君の写真をみたとき、友人の子かと見間違えたほど似ていたこともあって、気が気ではありませんでした。
マレーシアでの誘拐は、死刑、無期懲役といった厳罰であるにもかかわらず、この件数。
まるで黒澤明の「天国と地獄」のように、よりどころのない、もしくは、失うもののない人たちが、いったいどれだけいるのか…
子供の安全
今回の誘拐未遂事件は、母親とともの車を狙われたケースですが、誘拐のみでなく、普段から子供達が被害にあわないよう、
日本での習慣そのままでマレーシアで生活しないよう注意が必要ではないかと思います。
マレーシアでの子供の安全についてまとめています。
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以下に、在マレーシア日本国大使館メールマガジンよりの誘拐未遂事件の記事を転記しますので、犯罪対策のためにも是非ご一読ください。
9月24日(火)午前6時57分頃、モントキアラ地区に所在するキアラマス・コンドミニアム前の路上において、誘拐未遂事件が発生しました。
(邦人被害事件ではありません。)
幸い犯行は未遂に終わりましたが、男8人組の犯人グループはその場から逃走しており、再発の恐れもあるため引き続き十分な警戒が必要です。
【事件の概要】
子の通学のため、母親が運転する車(別家庭の母子も同乗し、母2、子5名乗車)でコンドミニアムのゲートを通過した直後に、プロトン・WIRA(男4人乗車)が前方を塞ぎ、それと同時に、男2人乗りのオートバイ2台が現れ、計8人の犯人グループが、母子が乗車した車両に襲いかかったものの、被害者らの抵抗を受けて犯行を断念し、そのまま逃走したとのことです。
警察では、犯人グループが裕福な家庭の子弟に狙いを定め、身代金目的の誘拐を企図し、同家族の行動パターンを事前に調査した上で計画的に犯行に及んだものの、被害者らの抵抗を受け、未遂に終わったのではないかとして犯人グループを追っています。
【対策】
今回の事案を受け、警察によるパトロールは強化されているとのことですが、同種の被害を防止するために、以下のような点について留意してください。
◎ 車両での送迎時
※ 出発時間、走行ルートを固定しない(交通量の少ない道は避ける。)。
※ 乗車直後にドアロックを掛けておく。
※ ドアガラスに盗難防止・ガラス飛散防止用フィルムを貼付しておく。
◎ スクールバス乗車時
※ 乗車準備が整うまでは、コンドミニアム敷地内で待機し、乗車の際は、可能な限りコンドミニアム出入り口直近で、集団でまとまって乗車する。
※ ガードマンを過信しない(今回の事件はガードハウス直近で発生しており、抑止効果が期待できない場合がある他、事件発生時の初動対応も期待できない場合もあります。)。
◎ その他
※ 日頃から、自宅周辺に不審車(男のみ複数が乗車、徘徊する2人乗りバイクな ど)、不審人物がいないか確認し、少しでも不安な場合は警察に通報する。
※ 子供の通学、買い物、友人宅への訪問等にはできるだけ大人が同行し、子供のみでの外出は控える。
※ 早朝・夜間の一人歩きは避け、必要な場合は、できるだけ人通りの多い通りを選ぶ。
※ 周囲に多数の往来がある場合であっても、油断しない。
※ 不審な人物や車両が後からついてくるなど、少しでもおかしいと感じたら、直ちにその場から離れ、商店に待避するなど、周囲に助けを求める。
※ 不審な人物から声を掛けられたり、無理矢理車に乗せられそうになった場合には、大きな声を出し、助けを求める(子供には防犯ブザーを持たせておく)。
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