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2007-02-01

タイプーサム(Thaipusam)とポンガル(Thai Ponggal)

タイプーサムはヒンドゥ教の神ムルガンに奉げる祭典で、ヒンドゥ教暦のタイの月(通常1~2月)、満月の日に開催されます。

複数民族からなるマレーシアのインディアン(インド人)の比率は全人口の約9%、一割以下ということで、そのうちのおよそ9割近くがヒンドゥ教徒。

この祭典は、マレーシアではディパバリと並ぶ重要なインド文化のお祭りです。

本場インドを含め世界各地で行事が廃止となっている危険性をともなう祭典ですが、シンガポールのみでなくマレーシアでも百万人以上のヒンズー教徒が各地の寺院に集まり、盛大な祭典が行われています。

マレーシアのタイプーサム(Thaipusam)


タイプーサムは、クアラルンプール郊外のバツ洞窟寺院での祭典が有名です。

写真:サウスレポートより

また、ペナンの滝の丘寺院も有名ですが、ジョホール州でも各地の寺院でそれぞれの祭典がおこなわれ、市街地、シティスクエア近くの寺院、タンポイジャイアントの隣の寺院のあるスクダイ通り近辺では、毎年大渋滞となります。

2015年更新 -> インド国外のヒンドゥ教寺院の中、世界の「訪れる価値のある寺院」の中に、バツ・ケーブ寺院に続き、ジョホールバルの市街地にあるガラス寺院(Arulmigu Sri Rajakaliamman Glass Temple)も選ばれています。

ジョホールバルのタイプーサム開催テンプル


ジョホールバルのガラス寺院写真:サウスレポートより

この寺院は1920年代に非常に質素なヒンドゥ教シェルターとして設置されたもので、ジョホールバル最古の寺のひとつで、タイプーサム祭典も行われています。

1990年代初期に初代僧の子孫が彼の父から受け継いだものの、保持継続は容易ではなく約五年間をかけての修復再開。その新僧侶がタイバンコクを訪れた際、遠くから目をうばわれたテンプルのモザイクガラス装飾に魅了されたことから、現在のガラス寺院建築案に至ったとのこと。

2008年に改装のすんだガラステンプル内には、ヒンドゥ教の神体像のみならず、ジーザス、仏陀にマザーテレサ像までもが並んでいます。

また、壁画のなかには民族間の調和をあらわすかのように、インディアンのみではなくチャイニーズ、マレーのそれぞれの女の子の姿、そして別のパネルにはヒンドゥ教者、モスリム教者、仏教者にキリスト教者がそれぞれに助け合っている姿が描かれています。
  • 場所: 22 Lorong 1, Jalan Tebrau, Johor Bahru
    (スクダイ通りをセナイからシティスクエアへ向かい、ダンガシティモール先、左側のショップロットを過ぎてすぐの小さな路地にはいります。)



  • 入館料: 外国人: RM10, マレーシア人: 無料
  • 観光客入館時間: 毎日1:00pm – 5:00pm
  • 信者入館時間: 月曜~金曜 7:30am – 12:00pm, 7:00pm – 10:00pm
    土曜~日曜 7:00am – 10:00pm
  • 写真を撮影する場合は、撮影費用の支払いが必要ですが、院内ではポストカード等を販売しています

非常に平凡な日本人の私にとって、派手な色使いのみならず質感まで違った素材を散りばめた「金ぴかキラキラ」、そして宗教問わずと並んだ像には躊躇してしまったのがはじめて訪れた際の反応でした。

日本の自然との調和がとれた簡素なたたずまいの寺院に神社での厳かさとは別に、目を見張るほどあ
の華美な装飾、もしくは重々しい石造りのヨーロッパの教会等でも、やはり、それぞれのドライであったりシャープな空間からは厳格な宗教性が強く感じられ感嘆したものです。

もともと、日本という国は四季の変化をさまざまな色彩で堪能できるほど美しい自然に恵まれている。そして、そこで生活する中、自然の調和を乱さない簡素さを美とし、自然と溶け込む文化をつくりあげていくうちに宗教観までもが文化に近いものになってきたのではないのだろうか。

では、ヨーロッパはというと、それぞれの地域によって、その重々しさから少し閉鎖的に、もしくは、神々しいまでの華美さから神々を恐れ敬う気持ちが高まってきたのでは、なんて違いをおもいながら、すでに勝手なひとりごとになっているため、軽く読み飛ばしてください。

こんな各地域によっての文化の成り立ちと切り離すことの出来ない宗教感をを考えてみることで、季節感の全く違うマレーシアの南国熱帯地帯に溶け込む宗教文化を思いながらひとりで納得している次第です。
<- 2015年更新


ちなみに、スクダイ通りにあるタンポイ・ジャイアントからの寺院の様子。




ここジョホールバルでは、朝、シティスクエア近くの寺院より、ダンガベイ方面からスクダイ通りへ抜けてタンポイ・ジャイアント隣の寺院へ山車と共に行進し、そこからまた(クライ)KULAIへとあるJBで一番大きな寺院へとの移動行進となるのだそうです。

午前から午後にかけて、シティスクエア近辺にスクダイ通りはかなりの交通渋滞となります。

それぞれの寺院のまわりではバザーが開かれ賑やかです。

タイプサンの模様はこちらからどうぞ。(BBC)

ポンガル(Thai Ponggal)


写真:thestar.com.my

タイプーサムと同じ「タイの月」におこなわれるポンガル祭は祝日ではありませんが、タイプーサムよりもすこし前の1月中旬ごろに四日間に渡って行われます。

一月、コタラヤショッピングモール近くのヒンドゥ寺院内とその横の道路いっぱいを使っての炊き出しに、カラフルな牛も参加のポンガル祭をみかけられたラッキーな方も多いのではないでしょうか。

ポンガル(Ponggal)は沸騰させる、煮立てるという意味で、新しい鍋でお米に砂糖を加えたミルクが吹きこぼれるまで煮立てて収穫を祝います。

また、田畑を耕しミルクを供給してくれる家畜の牛も、きれいに洗って色をつけたり花輪で飾ることで感謝を捧げる南インドの収穫祭です。

シンガポールのリトルインディアでも毎年盛大なポンガル祭が行われています。

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